【復刻版】ジャズ音楽の鑑賞~日本初のジャズ評論集/野川香文


ジャズ音楽の鑑賞 復刻版 日本初のジャズ評論集
漠然としたイメージなんですが、私にとって最近のジャズって、新宿やNYやドバイの高層建築なイメージなんですよ。
近代的かつ合理的なカッコ良さというか。
それに対して、昔の、それこそニューオリンズのストリートで発生した原初のジャズっていうのは、ほったて小屋のイメージ。
だから、私にとってジャズの歴史を辿るということは、あくまで大雑把なイメージですが、ほったて小屋から高層建築に移行するまでの流れを追いかける行為に近いのかもしれません。
ところが、私の場合、2階建て、3階建てくらいのアパートや「ビルヂング」くらいの「モダンジャズ」以降のジャズには親しんでいるし、詳しいエリアも多いのですが、ほったて小屋から一階建ての木造建築にいたるまでの過程のジャズ(モダンジャズ以前)に関しては、あまり詳しくありません。
そんな時に、その復刻版が最近シンコーミュージックから発売されたわけです。
この本が出版されたのは昭和23年だそうです。
著者の野川香文氏はなんと明治生まれ。
そんな時代背景ですから、当然、この本にはモダンジャズについては、ほとんど(というかまったく)書かれていません。
あの、ビリー・ホリデイですら、本の本当に後半のところでチラリと紹介されているくらいですから。
もちろん、マイルスなんて出てこない。時代的にもっと後のジャズマンですから。
だからこそ、我々が知らない「モダンジャズ以前」の記述が大半を占める本書は、めちゃくちゃ「モダンジャズ以前」の勉強になります。
ベニー・グッドマンらのスウィング・ジャズだって、本書の後半あたりに登場するほどですから、私の場合はモダンジャズ以降の観賞が中心になっているため、どうしても、スウィングジャズやそれ以前のジャズには疎いんですね。
だからこそ、めちゃくちゃ勉強になるな、と。
以前、高良さんが書いていた「ミンストレルショー」についての詳しい記述もあるし(高良さんの記事は⇒こちら)、ブギウギピアノの名手なんて、ほとんど知らない人ばかりでした。
うーむ、ジャズは広い、広大で、奥行きがある!と思わせてくれる本です。
記:2020/02/01

追記

ちなみに、この本の帯文を書いているのは、ジャズ評論家の村井康司氏。
村井さんも素晴らしいジャズの歴史本を書いています。

あなたの聴き方を変えるジャズ史
>>大傑作かつ名著!村井康司『あなたの聴き方を変えるジャズ史』
野川本と村井本をあわせて読めば、太古(?!)から現代まで、まんべんなくジャズの歴史が網羅され、頭の中には広大なジャズ地図が描かれることでしょう。
記:2020/02/09

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