日系二世ドラマー、ポール・トガワのリーダー作

まるで昭和の歌謡曲のドーナツ盤?
最初にジャケットを見た瞬間そう思ってしまったものですが、このアルバムはれっきとしたアメリカ人のジャズドラマーのリーダー作。
日系二世のドラマー、ポール戸川のリーダー作です。
現地(アメリカ西海岸)の人たちが抱くであろう「日系」というイメージに寄り添っているのか、1曲目の出だしや曲調などは、なんとなくオリエンタルな感じではありますが、その他のナンバーは、ごくごく普通の4ビートジャズです。
堅実だけど、柔軟性をも兼ね備えたブラッシュワークが印象的ではありますが、ド派手なプレイはありませぬ。
ジャズ批評別冊の『ジャズ・ウェストコースト』のレビューで、三星貴幸氏は「サラリーマンのようなドラム」と書かれているけれども、いやはや手厳しい。
ま、いちおうは彼がリーダーのアルバムではあるけれども、たしかにリーダーとしての自己主張的なことは、ローレンス・マラブルのアルバムなみに少ないかもしれませんね。
むしろ、パーカーを、いや、ソニー・クリスを彷彿とさせるガブ・バルタザールのアルトサックスのプレイがどの曲も際立っていますね。
なかなか滑らかさとキレの良さのバランスが心地よいサックスです。
《イッツ・オールライト・ウィズ・ミー》や《ラヴ・フォー・セール》などの有名スタンダードの演奏がグー。
ブラシの奥でボリッと刻まれるベン・タッカーのベースも心地よし。
好奇心旺盛な方、どうぞ!
期待しないで聴けば、期待を上回る!
……って、当たり前か。
記:2020/02/09

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