放送第90回「低音特集/ゲスト:森川進(低音キング)」

低音特集!

つまるところ、ベースの特集です!

で、今回のゲストは、キング低音シリーズのプロデューサー・森川進氏です。

出演者それぞれが好きな低音をかけようという趣向だったのですが、私、持ってくるの忘れちゃったので(いっきさんから借りているCD袋をスタジオに持ってきちゃった……)、今回は森川さんとtommyさんがかけあう形になっています。

まず1曲目。森川さんの選曲で、ルノー・ガルシア・フォンスの『ヴォヤージ』より《南方航路》。

これ、以前、森川さんか「いいですよ、聴いてね~」といただいたCDなのですが、あまりのコントラバスのテクニックと表現力の巧みさに、私は腰を抜かしてしまいましたですよ。

哀愁漂うメロディも日本人好みなんじゃないかなと思ったのですが、いまひとつ日本では受けがよくないらしい。うーん、ウマすぎるから?
tommyさんなんかは、これがかかっている途中、「巧過ぎて感情移入出来ない」的なことを仰っていたので、隙のない表現力というのは、日本人受けしないのかな?

もっと聴かれてしかるべき、優れたコントラバス奏者だと私は思っているのですが……。

2曲目は、tommyさんの選曲。

チコ・フリーマンの『スピリット・センシティヴ』より《ニューヨークの秋》。
フリーマンのテナーサックスとセシル・マクビーのデュオですね。
セシル・マクビーのベースを聴け!なナンバー。

チコ・フリーマンのテナーもなかなかのものですが、やはりセシル・マクビーのベースに耳が吸い込まれてしまいますね。

なんといっても、彼のベースは硬くて強靭!
ベース弾きならば、誰もが一度は、「こんなベースを弾いてみたい!」と思うはず?

3曲目は、森川さんの選曲。

森川さんは最近では、ブライアン・ブロンバーグのアルバムをたくさんプロデュースしているので、「ブロンバーグ使い」というイメージが強いのですが(笑)、ブロンバーグ・オンリーの方ではもちろんありません。

いやむしろ、ブロンバーグとは対極のタイプのベーシスト、チャールス・ミンガスがもっともフェイヴァリットなベーシストとのこと。

いや~、素晴らしい!
改めて森川さんのこと見直しました!(笑)

とにかく、ミンガスのことを語らせたら、1時間や2時間じゃ終わらないというぐらいのミンガスフリークの森川さんが選んだミンガスのアルバムは、かつてミンガスが立ち上げていたレーベル「キャンディド」のアルバム。

そう、ニューポート・ジャズ・フェスティヴァルに反抗して、会場のすぐ近くでもうひとつのジャズフェスティヴァルを催した反骨精神剥き出しのミンガスですが、そのときのジャズフェスティヴァルの模様を収録した『ニューポート・レベル』です。

メンバーが凄いんですよね。エリック・ドルフィー、マックス・ローチ、ロイ・エルドリッジ、ジョー・ジョーンズ、トミー・フラナガンなどなど。

今回森川さんが選曲した《ミー・アンド・ユー》は、ロイ・エルドリッジのペットをフィーチャーしたブルースです。

ミンガスに、ドラムがパパ・ジョー、ピアノがトミー・フラナガンというリズムセクション。そしてトランペットがロイ・エルドリッジというトリオ。彼ら演奏する何の変哲もないブルースの味わいが深い深い。

うーん、森川さん、ブロンバーグもいいけれども、こういうアルバムも作ってくださいな(笑)。

4曲目にかけた曲。

これは、tommyさんの選曲ですね。

チャーリー・ヘイデンの『ジタン』より《ジタン》。

日本盤と輸入盤とではベースの音質がまったく違うのだとか。

日本盤のほうが、エッジが効いた音色とのこと。

5曲目にかけた曲は森川さんの選曲。

藤原清登の『ガルガンチュア』より《アメイジング・グレース》です。

フランスのシノンにある修道院での録音。

朝のレコーディング。フランスの鳥さんたち、良いタイミングでさえずってくれています。

このレコーディングは鳥のさえずりが良い効果を出していますが、他の曲は鳥が寝静まった夜に録ったのだそうです。

とても良い響きの録音ですが、この響きを得るためには様々な苦労と工夫がなされているんだということを痛感しました。

さて、6曲目にかけた曲も森川さんの選曲です。

レジナルド・ヴィールの『ブルース&スピリチュアル』より《IIBS(ハイチ人戦闘の歌)》。

肉厚ベース。迫力で迫るベース。

ミンガスのナンバーを演奏するレジナルドは、身も心もチャールス・ミンガスになりきっているかのようです。

このレコーディングの時は、トリオの3人が円陣を組み、気合いをいれてから演奏に臨んだのだそうです。

まるで円陣を組んだ、ピアノのサイラス・チェスナットやヴィールに、ミンガスが降臨したかのような演奏。
いやはや迫力!です。

低音特集のラストは、私の選曲。

今回、膨大な低音のCDを準備したにもかかわらず、スタジオに持ってくるのを忘れたマヌケな私ですが、かろうじて、私が選んだ音源の1枚がTFMの資料室にありました!(助かった~!)

しかも、コントラバス(ウッドベース)による演奏続きだった今回の特集の最後を締めるにちょうど良い、エレクトリックベースのズシンとくる低音モノでした。

私が今もっとも好きなエレクトリックベース奏者(ヴォーカルも)、ミシェル・ンデゲオチェロの『ピース・ビヨンド・パッション』より《ザ・ウェイ》。

重たく重たくうねりうねる重量級ベース。ズドンと腹にくるベースをお楽しみください。

というわけで、今回は、私は1曲しかかけられなかったので、近々、リベンジの回を設けたいものであります。
低音特集パート2。

いや、パート7ぐらいまでやんなきゃあかんでしょ(笑)。

今回の低音特集にゲスト出演いただいた、キングレコードの森川氏プロデュースの最新作を紹介しましょう。

ブライアン・ブロンバーグの『プレイズ・ジミ・ヘンドリックス』です。

番組では、紹介していませんでしたが、このアルバムが森川作品の最新作。

今回のブロンバーグは、エレベを弾きまくりです。

ペキペキ・パキパキと、スラップを交えた呆れるほどの超絶速弾きでジミヘン・ナンバーを演奏。

しかも、共演ドラマーがヴィニー・カリウタ。

ワザの2人が、唖然とするほどの勢いで、あのジミヘンナンバーをモリモリと演奏しまくっています。フュージョン大好き小僧(オヤジ?)にはググッときまくる演奏のオンパレードに違いありません。

収録曲は以下の通りです。

1. ファイア
2. マニック・デプレッション
3. 風の中のメアリー
4. ヴードゥー・チャイル
5. フリーダム
6. ウォッチタワー
7. フォクシー・レディ
8. ヘイ・ジョー
9. クロスタウン・トラフィック
10. スパニッシュ・キャッスル・マジック
11. 紫のけむり

発売は7月21日。

気になる方はどうぞ!

記:2010/06/26