メセニーが嫌いな寺島さん~『JAZZを聴く 五感ときには第六感で!』

先日、YouTube動画でパット・メセニーの『クエスチョン・アンド・アンサー』について語りました。

その時、吉祥寺のジャズ喫茶「メグ」の寺島靖国氏は、メセニーがお嫌いのようで、「ぽくぽくした音」というような表現をされていた……というような話をしたのですが、正確には、「ぽくぽく」という擬音で表現されていたギタリストはウェス・モンゴメリーでした。

このことは、ジョンスコの『フラット・アウト』の紹介動画でも、語っています。

では、メセニーのことを寺島さんはどう表現していたのか?

気になって、先日、寺島さんがお書きになられた本をいろいろと読み返してみたら、あった、あった。

『JAZZを聴く 五感ときには第六感で! 』という本でした。


JAZZを聴く 五感ときには第六感で! (講談社プラスアルファ文庫)

この本には、メセニーのギターサウンドのことを「ヘロヘロ」と表現されています(笑)。

ちょっと、そこの箇所を引用してみましょう。

一体全体、パット・メセニーのどこがジャズだというのだ。こう言ってはなんだが、あのヘアースタイルにはじまって目つき身体つき、いっさいがジャズではない。そうした非ジャズ的肉体性はともかく、あのヘロヘロのギターサウンズのどこがジャズだといういうのか。ジャズのギターの音はチャーリー・クリスチャン~タル・ファーロー~ジミー・レイニーにきまっているではないか。ジョン・スコなどという言い方もいやらしい。

いやはや、まったくもって、いつもの寺島節炸裂であります。

ムカッとくる方もいらっしゃるでしょうが、中には、何となくモヤモヤと感じていた違和感のようなものを、ズバッと言い切ってくれてスッキリしたと感じられる方もいらっしゃるのでは?

私の場合は、ああ、いつもの「寺島節」だなぁ、寺島さんだったらこう言うだろうなぁと苦笑しつつも、この挑発的な語り口に本気でムカッとなった人は、まんまと寺島さんの術中にはまってしまうんだろうなぁとも思いました。

何を隠そう、昔の私がまさにその手の人間でして、真剣に「けしからん!」と思いながら『辛口ジャズノート』を読んでいたものです。

それが今では、すっかり寺島さんがお書きになる「エッセイ」のファンです。

たしかに最初は「この人、何をいってるんだ!」と目くじらを立ててしまうかもしれませんが、そのうち、「寺島さんだったら、どう受け止めるのだろう?」とか「絶対このジャズマンのことを嫌いに違いない、どうディスるのだろう?」という興味から、いろいろな本や連載を読むようになってしまうのですね。

「ああ、やっぱりそうくるか」と目くじらを立てたり、納得したり、呆れたりを繰り返すうちに、気付けば、かなりの寺島本を読んでいる。

いっぱしのファンになってしまっている自分に気がつくわけです。

「アンチもファンのうち」とはよく言ったものです。

上に引用した「寺島節」が気になった人は、ぜひ『JAZZを聴く 五感ときには第六感で!』をお読みになってみてください。

記:2020/03/29

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